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仮説検定
検定手順
結論に生じうる誤り
例
注意点
仮説検定
仮説検定とは,母集団の母数に関する帰無仮説について,棄却/受容を標本から客観的に判定する手続き
有意確率とは,帰無仮説が真だった場合に誤って棄却する確率である
仮説検定において,有意確率が事前に定めた有意水準よりも小さかった場合,帰無仮説を棄却する
検定手順
帰無仮説を仮定する
帰無仮説のもとで検定したい事象が発生する確率$p$を求める
$p$が事前に定めた有意水準よりも小さいならば,帰無仮説を棄却する
結論に生じうる誤り
第一種の誤り: 帰無仮説が正しい,かつ,帰無仮説を棄却してしまう
発生確率=有意確率
発生確率を設定できる
第二種の誤り: 帰無仮説が誤っている,かつ,帰無仮説を受容してしまう
発生確率は不明
発生確率を設定できない
有意水準を小さくすることで第一種の誤りは起こりにくくなるが,第二種の誤りが起こりやすくなる(トレードオフ)
大体の場合で5%
第一種の誤りが許されない場面(医療など)では1%
例
コイントスを10回やって7回表が出た.コイントスは公平か?
7回表が出る確率は$\frac{1}{2^{10}} \cdot {}_{10} \mathrm{C}_7=0.12$
$0.12>0.10$より有意水準10%で帰無仮説は棄却されない
コイントスは
公平である
12%で起こりうることが起きた,帰無仮説が正しい場合は普通のこと,つまり,帰無仮説は正しい
この結論は第二種の誤りである可能性がある
$0.12<0.15$より有意水準15%で帰無仮説は棄却される
コイントスは
公平でない
12%で起こりうることが起きた,帰無仮説が正しい場合は奇跡に近い,つまり,帰無仮説は間違いだ
この結論は12%の確率で第一種の誤りである可能性がある
注意点
自分の望む結果を得るために,検定の途中で有意水準を作為的に操作してはならない
有意水準は必ず有意確率を求める前に定めなければならない
仮説検定によって導き出された複数の結論をもとに、新たな結論を導く場合は、
多重性の問題
を考慮しなければならない
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