暗号通貨システムトレードの戦術
- このページでは暗号通貨(特にbtc)のシステムトレードについての知見をまとめる
- 市場解析を趣味にできるレベルの人以外は多分利益を出せない
- 私ははっきりとしたプラスは生み出せなかった
- 自由市場がどれほど堅牢かを身をもって知ることができる
- 完璧な戦術などあるはずもなく,あったとしてもすぐに解析,真似されて稼げなくなる
1. 戦術
1.1 Market Making
- 通称MM-botなどと呼ばれる
- 売り指値,買い指値を約定させまくることで,その利鞘を得る戦術
- 100円の買い指値と101円の売り指値を両方約定させれば,100円で買って101円で売ったことになる
- 1サイクルの利益は小さいが,ロットを大きくしたり,サイクルを超短期間で繰り返したりすることで大きな利益が得られる
- レンジ相場では使えるが,トレンドがあると片方の指値が置いていかれて大損することになる
- 上昇トレンドの場合,売り指値だけが約定して在庫がなくなるが,価格は上がり続ける
- 下降トレンドの場合,買い指値だけが約定して在庫が余るが,価格は下がり続ける
- 自分の場合,レンジ相場でちょっとだけ利益を出せた
- 取引自体での利益はほとんど±0だった
- Maker取引のマイナス手数料のおかげでなんとかプラスになった
アルゴリズム
- 秒単位で板情報を取得し,以前置いた指値をキャンセルして,買い指値と売り指値を置き続ける
- 市場での取引になるべく多く関わるために,できる限り高い買い指値と,できる限り安い売り指値をおかなければならない
- ただし,攻めすぎると利益が少なくなるので,いい塩梅を見つける必要がある
- 注文サイズと在庫の関係については,自分でも色々試したところ,以下の式が最も利益が出やすかった(ソース)
- $b=f\left(p\right),s=f\left(-p\right), f(x)=clamp\left(-\frac{1}{4}\left(x+1\right)^2+1, 0, 1\right)$
- $b$: ロット$L$に対する買い注文サイズの割合
- $s$: ロット$L$に対する売り注文サイズの割合
- $p$: ロット$L$に対する現在の在庫数の割合
- 現物の場合,基準在庫数$b$を決めて,在庫数$x$として,$p=(x-b)/L$とするのが良い
1.2 髭取り
- 一瞬の価格変動を狙って高値/安値での取引をする戦術
- MM-botの時間スケールをゆっくりにしたバージョン
- 現在価格と指値の差が大きいほど1サイクルの利益も大きいが,約定するまでの時間が長くなる
- これは試したことがないけど,MMよりは低リスク低リターンになりそう
アルゴリズム
- 現在価格から上髭の上端/下端を予想して買い/売り指値を置き,数分ごとに指値の位置を更新する
- 注文サイズについてはMM-botが参考になるかも
- もし約定したら,価格が戻った時に利確する
1.3 移動平均線
- 移動平均線を使ってゴールデンクロスからトレンドを判定し,取引する方法
- 一週間ぐらい動かしたけど微妙だった
- 頻繁に乱高下する暗号通貨市場には不向き
- EMAとかWMAとか色々あるけど,結局は過去の値動きしか見ていないので,自由市場において未来の価格の根拠にはなり得ない
2. まとめ
- 偏見と独断でまとめると以下の表の通り
戦術 | 1サイクル | ||
---|---|---|---|
時間スパン | リターン | リスク | |
Market Making | 超短期 | 小 | 大 |
髭とり | 長期 | 中 | 小 |
移動平均 | 中・長期 | 小 | 中 |
2.1 所感
- 投資,投機については,過去の行動を振り返るよりも,リスクとリターンを正しく評価する感覚を磨いたほうがいい